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荒筋
山間の旧診療所を占拠している男がいた。
名を六戸皐月という。
かつては大学の助教授だったが、
俗世を厭んで厭世生活を送る。
珍しい来訪者である僕は彼に依頼する案件があった。
始まり。
人間は醜い。
人間は酷い。
争い、競い合う。
それでいて、・・・脆い。
私は人より数倍脆く、弱弱しいことを自覚している。
故に、私には殻が必要だ。
卵の殻のようにすぐに割れるものではなく、それこそ防壁になるほどのものが。
他人から干渉を受けないように本当の自己を閉じ込めておける函。
それが、私には必要だった。
そう・・・「道化」という対面用のペルソナを・・・。
人間失格と、自身を蔑んだ、彼のように・・・。
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