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序章

その四

広大な二次世界の果て。

黒い侵食が始まるのを、見る男が一人。
彼自身も黒く、澱んでバグだらけだったが、最初から存在していたプログラムの一人だ。
彼が作り出されたアーパ計画では、七人の技術者?後のアーパチルドレン?が参画していた。
葛城秀弥、大江戸能武、中野限彦、麻布絹絵、月島蝶々、住吉弖流、

そしてニキータ・ツヴァイフィア。

彼らはニキータ以外は日本人だった。
ニキータはロシア系の民族の出で、他の六人もなぜ彼女が参加しているのか知らない。
彼女が居なければ計画が完遂しないことも確かだった。
彼女こそがコア。
極寒の地で続けられた実験は、今終末を見届けている黒の男や、破戒を夢見る少女、守ることを拒む少年などを生み出した。
そしてそれらの異分子は確実に世界の歯車を狂わせてゆく。
だがこれは決して遠くはない未来の話。
まだ楽しかったあの2054年が過ぎるまでの過程こそが全てだったあの頃。

今は時を逆行させ、発端を目撃せよ。



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